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8・6ヒロシマ暴処法弾圧共同抗議声明

不当に勾留されている5人をただちに釈放せよ!

(1)2月 28 日、昨年8月6日に原爆ドーム前で開かれた反戦反核集会の主催者で ある「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」の事務所、集会参加者に関連する東京、神 奈川、大阪、福岡、沖縄など全国8都府県 14 カ所に対する一斉家宅捜索が行われ、 東京と大阪で 5 人が「暴力行為等処罰法(暴処法)違反」で逮捕されました。5人 が「集団で市職員を暴行した」というのは警察・検察による完全なでっち上げです。 けがをした市職員は存在せず、「被害届」もありません。5 人は他の参加者と共に、 改憲や日本の核武装を主張する「日本会議」など右翼による妨害から集会を守ろうと しただけです。

戦前、治安維持法と一体でつくられた「暴処法」は、労働運動などを「多衆による 暴力行為」として弾圧するためにつくられた大悪法です。今回この暴処法が、ヒロシ マの反戦反核運動つぶしに使われたのです。広島・長崎の被爆者、被爆二世・三世を はじめ全国の労働者市民が、こんな弾圧を許したら再び戦争とヒロシマ・ナガサキを 繰り返すことになる、と抗議の声をあげました。しかし、3 月 19 日に検察は起訴を 強行し、広島地方裁判所は 5 人を弁護士以外には面会も手紙も許可しない「接見禁 止」処分をつけて長期に勾留し続けています。これ自身、重大な人権侵害です。私た ちは「8・6ヒロシマ暴処法弾圧」を行った警察・検察・裁判所に強く抗議し、5 人 の即時釈放を求めます。

(2)8・6ヒロシマ暴処法弾圧は、今激しく進行している戦争に向けた政治と一 体です。腐敗にまみれた岸田政権が軍事費 2 倍化の大軍拡を行い、沖縄・琉球弧の島々 を軍事要塞化・ミサイル基地化し、日本全土でも基地強化、民間空港・港湾の軍事利 用の拡大が進められ、住民・生徒を動員してのミサイル避難訓練などが頻繁に行われ ています。米軍と自衛隊は中国と実際に戦争することを想定した演習を繰り返し、4 月日米首脳会談をへて「指揮統制」の一体化が進められています。

そうした中で反戦反核の拠点・ヒロシマを解体する攻撃が強まっています。岸田首 相を議長とした 23 年G7広島サミットでは核抑止力を肯定する「広島ビジョン」が 出され、ウクライナ軍事支援の強化が議題にされました。広島市の学校教材からはビ キニ水爆実験被爆の「第 5 福竜丸事件」や『はだしのゲン』が排除され、一方で広 島市職員の研修では戦前の天皇制教育=戦争教育の柱であった「教育勅語」が使用さ れています。こうした動きと一体で原爆ドーム前集会に対する右翼と警察による妨害 が年々激化してきたのです。そして右翼・日本会議と自民党などの反動議員が結託し て市議会に原爆ドーム前での集会を「禁止」する請願を出し、ついに今年 2 月 27 日 に採択を強行しました。その翌日に警察による全国一斉家宅捜索と 5 人の逮捕が行 われたのです。

戦争反対の声を上げたら右翼と警察が一体となって弾圧する。かつてもこうやって 戦争が始まり、ヒロシマ・ナガサキの惨劇にまで行き着いたのです。

(3)ウクライナ、パレスチナ・ガザでますます戦争が激化し、米中の対立が深ま り、新たな世界戦争・核戦争の危機が迫る中で、今こそ被爆地ヒロシマから反戦反核 の声を上げるべき時です。8・6ヒロシマ暴処法弾圧はこの決定的な時に、ヒロシマ を「沈黙」させようとする攻撃です。「8 月 6 日は静かにしろ」というのは、そうい うことです。

この弾圧は、「ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな」と訴え、たたかってきたすべて の被爆者・二世・三世と労働者・学生・市民らにかけられている弾圧です。この弾圧 を許すことは、再びの侵略戦争とヒロシマ・ナガサキへの道を許すことです。ゆえに 私たちは「沈黙」を拒否し、「二度と過ちは繰り返さない」という誓いにかけて、8・ 6ヒロシマ暴処法弾圧に抗議し、核と戦争に絶対反対の信念を貫いて獄中でたたかっ ている 5 人と共に声を上げます。

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