昨年の8・6ヒロシマ大行動での原爆ドーム前集会での右翼との衝突を理由とした「暴力行為等処罰法」ででっち上げ不当逮捕された5名の仲間に対して、3月19日広島地検は起訴を強行しました。戦前の治安維持法での反戦運動弾圧と全く同じこの不当な弾圧を絶対に許すことはできません。3月7日に30名以上の被爆者、被爆2世3世らによって発せられた弾圧に抗議する緊急声明には全国で700名近い賛同が集まっています。「反戦運動に対する岸田政権の大弾圧を許すな!」という大救援運動を作り出し、5人の仲間を無実で奪還するまで徹底的に闘うことを宣言します。
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そもそも、昨年の8月6日はどのような情勢の中で迎えていたでしょうか。
ウクライナ戦争が始まり、アメリカが国家戦略として中国侵略戦争を打ち出す中、岸田政権は2022年末に安保3文書を改定し、日本がアメリカの最大の同盟国として中国侵略戦争に参戦することを示しました。そして昨年5月のG7広島サミットにおいては、G7の核保有を肯定する広島ビジョンを出し、「自衛」の名で、ウクライナ戦争を激化させ、中国侵略戦争に突き進み、核兵器の使用さえ辞さないことを内外に宣言しました。これに対して、被爆者をはじめ広島市民、全世界の人々がこの広島ビジョンに対して怒りの声を上げました。
しかし、岸田首相は広島ビジョンを撤回するどころか、その実現をかけて昨年8月6日、平和記念式典に乗り込んできたのです。
私たちはまさにこれこそ、原爆によって亡くなった被爆者の思いを踏みにじり、78年間にわたるヒロシマの反戦反核の思いを圧殺する暴挙であり、これに抗議の声一つ上がらなければ世界戦争を許し、再びヒロシマ・ナガサキを繰り返すことになると確信し、8月6日の原爆ドーム前の集会と岸田首相の式典出席弾劾のデモを呼びかけたのです。
これに対して、岸田政権の意を受けた「静かな8月6日を願う広島市民の会」と名乗る右翼勢力(その実体は、日本会議や在特会など日本の戦争国家化と核武装を主張してきた集団)が集会の破壊を目論んで全国から200名の動員をかけ、集会破壊を目論んできました。
国が戦争に突き進むとき、このような国家主義的右翼ファシストが国家権力の許容のもとで反戦運動や労働運動・学生運動など社会運動に襲いかかり、社会を暴力的に制圧しようとしてきます。私たちはこうした卑劣な集会破壊策動を許さないため、スクラムを組み、自らの肉体を盾として集会を防衛し、整然と集会を貫徹し、岸田の式典出席弾劾のデモを貫徹しました。
広島ビジョンを賛美し、ヒロシマの反戦反核運動を屈服させ圧殺しようとした岸田の目論見は完全に打ち砕かれ、被爆者を先頭としたヒロシマの怒りの前に、岸田は記者会見でも言い訳に終始し、逃げるように広島を去っていったのです。
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今回の弾圧はこのように中国侵略戦争に突き進み、改憲と戦争国家化を進める岸田政権が、ヒロシマの反戦反核運動をなんとしても解体しようと行ってきた弾圧です。
いま岸田政権の下で、中国侵略戦争に向けた軍事費2倍化の大軍拡、沖縄・琉球弧の島々の軍事要塞化・ミサイル基地化、九州、岩国をはじめ日本全土での自衛隊・米軍基地の強化・軍事演習、そして住民・生徒を動員してのミサイル避難訓練などが頻繁に行われています。広島では、核抑止力を肯定したG7サミット開催と一体で、『はだしのゲン』の学校教材からの排除や市職員研修での「教育勅語」使用が行われ、2月27日には市議会で、原爆の日に平和公園・原爆ドーム前周辺で反戦反核をアピールする集会を事実上「禁止」を求めて、先に触れた右翼勢力が提出した「請願」が賛成多数で採択されました。
こうした状況の中で今回の5名逮捕が行われました。原爆の日に被爆者・二世・三世らの呼びかけで原爆ドーム前に集まり、反戦反核の声を上げたら逮捕される。まさにはだしのゲンの父親が「戦争に反対した」ことを理由に特高警察に逮捕されたように、「新たな戦前」の反戦運動弾圧として今回の8・6弾圧が行われているのです。
今回の弾圧に使われている「暴力行為等処罰法(暴処法)」は、戦前から労働運動などの社会運動を「暴力行為等」としてつぶすことに使われてきた大悪法です。今回の弾圧では集会を妨害する右翼と主催者の間に入った市職員が「尻餅」をついたことが「暴力行為」にでっち上げられたのです。市職員には「けが」もなく、当日の集会は何の問題もなく行われました。それが今になって「犯罪」とされ、全国一斉捜索と逮捕まで行われたのは、戦争情勢での明らかな政治的弾圧です。
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ウクライナ、パレスチナ・ガザで戦争が激化し、米中の対立が深まり、世界戦争・核戦争の危機が迫る中で、今こそ被爆地ヒロシマから反戦反核の声を上げるべき時です。しかし、広島市議会は逆に反戦集会・デモを禁止する決議を行い、5人の逮捕に手を貸したのです。 戦争反対の声を上げたら「犯罪」にされ、右翼と国家権力が一体となって弾圧する。かつてもこうやって戦争は始まり、それがヒロシマ・ナガサキの惨劇にまで行き着いたのです。
今回の弾圧は文字通り戦争の始まりです。戦争が始まったら反対するという多くの人々の信念は、今この弾圧を絶対に許さないという国家権力との闘いとして実践されなければなりません。私たちは、二度と過ちは繰り返さないという誓いにかけて、8・6暴処法弾圧を絶対に許しません。獄中で戦争絶対反対の信念を貫く5人の仲間をただちに釈放せよ!
8・6ヒロシマ大行動実行委員会 2024年3月19日